2014年7月18日金曜日

英語ディベート資料 燃料コスト増の影響

否定側としては、原発停止☞原発が担っていた発電量を火力発電にシフト☞化石燃料は上昇トレンド☞コスト上昇☞価格転嫁 というシナリオだと思います。

証拠として出てくるのは経済産業省の白書とかだと思うんですけど、ぱっと見て分かりやすいのは総合資源エネルギー調査会総合部会電力需給検証小委員会(第三回)配布資料と、個人的には思うのでそちらで紹介。

第三回電力需給検証小委員会資料3 燃料コスト増の影響及びその対策について

これによると燃料費は5.9兆円(2011)☞7.1兆円(2012)
LNGの増加分は+1.2兆円☞1.4兆円、
石油 増加分は+1.2兆円☞1.9兆円。

意外と石油価格の上昇は顕著だけど、米国のシェールガスの影響もあるので、LNGの価格上昇は読みづらいところです。

July 24 2014追記
さっき、報道ステーションを見てたら【アベノミクスで燃料費増大】というフレーズが出て、あ、そうか。と思ってしまいました。そういう論点でUniquenessが無い、過度な円安誘導を止めれば燃料費はある程度圧縮出来るはずだ、という反論も充分可能な気がしました。

平 衆議院議員のブログではこんな分析をされています
http://t-taira.net/blog/2013/11/4-1.html
「4兆円近い国富が逃げる」は間違い2013年11月 5日 23:31
以下引用
「(脱原発で)4兆円近い国富が逃げる」と言う説があるが、東電の決算書を見ると火力の炊き増しによる燃料費増は50~60%で、残りの半分は円安と原油CIF価格の上昇が原因。安倍総理はアベノミクスも国富流出の原因だという点に留意されたい。
●すべてが火力の炊き増しのせいではない
「4兆円の国富流出論」が根強いので調べてみた。東電の2012年3月期(2011年度)決算を見ると、燃料費増加がそのまま原発ゼロの影響ではないと明記されている。3.11直前の2010年度の燃料費(1兆4,821億円)から次年度の2011年度の燃料費(約2兆2,869億円)へと約8千億円増加している。しかし、この8千億円がすべて原発の火力発電代替によるのではない。
●8千億円のうち5千億円が火力の影響
東電の2012年3月期の決算書によると、燃料費増8,000億円の構成を以下のように記している。
【消費面】
・電力需要の減       2,790億円
・原子力発電電力量の減  -5,060億円
・融通、他社受電の減など -1,850億円
【価格面】
・為替レートの円高化   1,070億円
・原油CIF価格の上昇など -5,000億円
要約すると、消費面では節電・省エネ等で使用電力が減ったので2,790億円の燃料費が減少し、また価格面では円高で円ベースの調達価格が安くなり1,070億円の燃料費が減少した。一方、消費面では原発を火力に代替にした炊き増し分で5,060億円が増加し、価格面では原油CIF価格の上昇で5,000億円増加した。以上により東電は、純粋に原発発電量の減少が原因となる燃料費増は全体8,000億円のうち5,060億円(つまり約6割)だとしている。
次年度の2013年3月期の決算書も同じだ。燃料費は2012年度から5,016億円増加しているが、そのうち3,090億円(約6割)が原発電力量の減少による影響と分析している。
●2010年度から2012年度の燃料費増は3兆4千億円
各電力会社から公表されている決算資料の収支比較表(個別)で各年度の燃料費がわかる。9電力の燃料費合計は2010年度が3兆6199億円、2012年度が7兆283億円。よって2010年度~2012年度で燃料費は3兆4千億円増加した。
●国富流出の半分はアベノミクス
重要なことは、2012年度の段階で、原発は大飯原発以外停止しており、ほぼ原発の発電量はない。(対2010年で約6%に減少)つまり、2013年度は原発代替の余地がないのだ。原発から火力に代替するシフトは2012年でほぼ終わっている。もうひとつ重要なことは、2013年度の当初からアベノミクスの1本目の矢である量的緩和がはじまり、一気に円安に誘導された。おそらくスポット分の燃料調達コストが急激に上昇したであろう。以上により、もし政府の予測通り2010年度から2013年度の燃料費増加が4兆円になるのだとしたら、2012年度までの増加3兆4千億円からのさらなる追加分である6千億円の多くの部分は円安による上昇であろう。以上を整理すると、2010年度~2012年度の燃料費増3兆4千億円のうち、火力炊き増しによる燃料費増は60%の2兆円。2010年度~2013年度は火力代替がさほど増えないので、燃料費増4兆のうち、引き続き2兆強が火力炊き増し分であり、残りの2兆弱がすべて円安と原油CIF価格の上昇によるものだろう予測する。つまり、国富流出の半分はアベノミクスに起因する。
引用終了。
これは結構良い切り返しだと思うんですけどねぇ・・・。どうでしょう?(誰に聞いてるんだ・・・

July 25th 2014 追記
原発廃止→火力に依存→化石燃料の値段が上がる、という話があります。
火力に依存するから化石燃料の値段が上がる、というのと、
もともと化石燃料の値段が上昇傾向にある、というのと、
燃料の調達方法が違う(買い方が違う)からそもそも比較のしようがない
という論法、色々ありそうです。どのセオリーを取るのか、
エビデンスをそろえて丁寧に論じる、または反論に対してディフェンする必要が
特に肯定側は必要かもしれません。どちら側のエビデンスにも使えそうな気がするので
紹介しておきます。

山本隆三(やまもと・りゅうぞう)

常葉大学経営学部教授

京都大学卒業後、住友商事入社。地球環境部長などを経て2008年から10年までプール学院大学国際文化学部教授。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/1900?page=


彼のスタンスを表す部分をまず引用します。
引用
 しかし、発電コストの基本に関わる燃料を高く購入していると邪推するのは、現場で燃料購入に携わっている多くの人たちを愚弄することになる。20年間海外からの石炭の輸入と価格交渉に携わり、電力会社に石炭を売っていた現場を知る筆者としては、「総括原価主義でコストを気にせず電力会社が燃料購入を行っている」などという主張は、少なくとも海外炭については「全くの空事。嘘もいい加減にしろ」と言わざるをえない。
引用終了

彼の意見としては
引用
 原発事故のあと、「電力会社は競争力を高めるために、安全面を強化する投資を行わなかった」との非難があった。その一方、「総括原価主義で必要なコストは全て回収することが可能なので、高い燃料を購入している」と非難されている。「電力会社は信用できないから、やっていることは全て気に入らない」という人たちがいるのだろう。
 しかし、安定的に電気を供給するために、当然必要となる燃料費の安定供給を実現するには、日本の現在の状況では長期契約を主体に購入せざるを得ない。もちろん、だからといって高い燃料を買ってよいわけではないのは当然だ。先述のように、熾烈な価格交渉も行っている。
 我々は電力供給に何を求めているのだろうか。安定的な供給が低料金で行われるのが理想だが、自由化を行った諸外国でも、安定供給と低料金が実現されたかどうかの評価は分かれている。
引用終了

シェールガス、損失を出す(2012、10、7追記)
http://blogos.com/article/95947/
つまり、採算性上げるためにガス価上昇は充分あり得る。

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